高気密住宅は内窓を付けても結露が起こる場合があります
どんな場合に結露が発生するの?
内窓を取り付けた際に、「外窓の下部」「内窓の枠部分」にできる結露については、住宅の換気システムに起因するケースがほとんどです。
特に換気システムが一般的な高気密住宅で採用される「第三種換気」の場合、吸気側が足りていないと内窓を設置してもサッシのこの部分に結露が発生します。
第一種換気・第二種換気・第三種換気の違い
第三種換気は吸気と排気のバランスによって結露が出ることも
「第三種換気」の場合、排気側は動力(換気扇、レンジフード扇など)を使用しておりますが、吸気側は各部屋の換気口からの自然吸気を行います。
換気口は以下のような部位、形状です。
通常は各部屋にある上記のような換気口から吸気を行いますが、換気口が閉じていたり、大風量のキッチン換気扇をONにしたりと、排気とのバランスが取れなくなると、家のほかの隙間(引き違いサッシのレール部分や枠と枠が重なる部分など)からも吸気を行います。
▼結露が発生した窓
排気バランスが取れなくなったときに結露以外の問題が起こることも
他にも、下記の様な事が起こります。
・家の中が負圧になり、玄関や部屋のドアを開ける際に重くなる。
・機械排気の換気扇の音が大きくなる(苦しそうな音になる)。
問題を解消するには
換気口の状態を確認する
こちらの解消法としては、すべての部屋の換気口を開けて下さい。
開けている場合でも、家具などでふさがれていないか確認をしてください。
※結露、防カビなどの面から機械排気(換気扇)を止めることはお勧めしません。
換気口のついた住宅で もしも内窓が結露した場合、吸気と排気のバランスが取れた状態にしてやることで、結露の発生を抑えることができるのです。
窓サッシに「換気口が付いているタイプ」は注意
但し、窓サッシに 「換気口が付いているタイプ」は要注意です。
換気框付きサッシ(障子に換気口がついているケース)の場合、内窓との相性は良くありません。
吸気を窓で行う設計のため、内窓を設置すると必然的に吸気口を塞いでしまうことになるのです。
内窓には通気構造がありませんので、吸気は内窓の下レール部分や枠と枠が重なる部分などから行うことになり、この際に吸気箇所付近に結露を発生させてしまいます。
このケースの問題は結露解消の決策が取れないことです。
まとめ
内窓の結露を解消するには、窓からの吸気量を減らす以外には手が無いので、吸気のために内窓の付いていないどこかの窓を常に少し開けておくか、内窓を少し開けておくかなどの方法しか取れないのです。
内窓はピッタリ閉めて気密をとってはじめて性能を100%発揮する商品ですので、私共としても少し空けて下さいと提案することも出来ないのです。