ツインカーボの断熱効果
「部屋が寒いので内窓をつけて断熱したい」
「結露が多いのでなんとかしたい」
お住まいの地域にかかわらず、こうした断熱・結露にお悩みの方は数多く、ご相談をよく頂きます。
中には「内窓を付けたいけど、メーカー製の内窓は高い」という場合は、ツインカーボやプラダンを使用した内窓をご自分で作って設置しておられる方もいらっしゃいます。
ツインカーボとは、「ポリカ中空ボード」とも呼ばれるポリカーボネート製の中空シートです。
ダンボール紙のような形状で、2枚のシートの間に空気層があるため断熱性が高く、手作りの内窓によく使用されています。
また「プラダン」(プラスチックダンボール)と呼ばれるものは、梱包や養生用に使われる保護材で、構造はツインカーボと似ていますが、ツインカーボより安価で販売されています。
ツインカーボの方が丈夫で透明性が高く、UVカットなど耐候加工がされていることがあります。
ツインカーボを使った内窓
こうした特長を生かし、断熱対策としてツインカーボを使った内窓をDIYで作るのが人気のようです。その効果はどのようなものなのでしょうか?まずは必要な材料などを見ていきましょう。
ツインカーボDIY内窓に必要な部材
ツインカーボ

ホームセンターなどで購入できます。H1,820×W910mmのサイズが1枚3千円ほどで販売されています。
1,800mmを超えるような大きい窓に対しては、重さによりツインカーボが反りやすくなってしまい、小さいサイズよりも隙間が出やすくなります。大きいサイズの内窓を作る時は、別途アルミ製のコの字レールなどをサイドフレームにつけるなど、補強して使うのが良いようです。
内窓用プラレール、プラ枠

このフレームにツインカーボをはめこんで出来た障子をさらにレールにはめこんで内窓の形になります。
コストとしてはツインカーボ+レールを含めたセットで、900×900くらいのSサイズが6,000円、1,800×1,800くらいのLLサイズが13,000円くらいといった感じです。ネットショップによってはポリカがついていない(別売り)場合もありますのでご注意下さい。
このようにツインカーボと、それを窓に仕立てるための枠・レールが大きなメイン部材です。
ツインカーボの断熱性能
必ず端部を塞ぎましょう
ツインカーボはストローを並べて束ねたような形状になっています。
上下の端部が開放された状態ですが、ここを塞ぐことで断熱性能がよりアップします。
開放された状態では、内部の空気が出入りしてしまうため熱が移動してしまい、室内の熱が外に逃げてしまいます。
この端部を塞ぐことで気密が上がり、熱の移動を抑えられるため、断熱効果は高まります。
アルミテープや厚手のセロハンテープなどでしっかり塞ぎましょう。
端部がキレイにカットされていないとテープが裂けたりしやすくなりますが、この端部処理は重要なので密封出来たほうがベターです。
乾きにくい点はありますが、ボンドやシーリング剤のようなもので密封するのも手です。
ツインカーボの熱貫流率
ツインカーボを制作しているメーカーの旭硝子は、ツインカーボの熱貫流率を公表しています。
(※熱貫流率=熱の伝わりやすさを表す数値。数字が小さい方が断熱性能が高いことを示します。)
※端部を密閉した場合のデータです。(旭硝子ツインカーボカタログより)
このデータによると、ツインカーボスタンダード4mm厚の熱貫流率は「4.0」となっています。
これがどれくらいの数値かと言いますと、下図をご覧ください。
こちらはLIXILの内窓インプラスの性能数値です。
赤いラインを引いたところが熱貫流率の数値になります。
一般的な住宅に使われている1枚板のガラスの熱貫流率は6.0。透明ペアガラスの熱貫流率は2.9となっています。
ツインカーボの断熱性能は、1枚板のガラスより高く、透明ペアガラスより低い、ということになります。
ただし、旭硝子に確認したところ、このツインカーボの「熱貫流率4.0」という数値は、「端部を塞いだ状態での数値」であるとのこと。
この性能を得るためにはしっかり端部を塞がなくてはいけません。
ツインカーボの端部にテープを貼るのは、内部に切り屑が入らないようにするためではなく、「断熱性能をもっと上げる」ためなのです。
また、二枚引違いの形の場合、真ん中の合わせ部分に隙間ができるとやはり断熱性能が下がります。
気密を保つため、隙間テープなどで塞いでおきましょう。
ツインカーボ内窓を設置する際は、隙間をなくし、空気の出入りを極力なくすことが重要になります。
ツインカーボ内窓のメリット、デメリット(メーカー製内窓との比較)
メリット
部材にかかるコスト面では、「枠セット+ツインカーボ」でおおよそ1窓6,000円~13,000円程度と、インプラスなどのメーカー製の内窓に比べて初期費用は三分の一程度です。
しっかりツインカーボの端部を塞ぎ、気密を確保して内窓を作ることができれば、ある程度結露が減り、外窓から来る冷えた空気を遮断できます。
また窓枠にネジ穴を開けなければならないメーカー製内窓は、原状復帰が求められる賃貸物件には取付けできませんが、ツインカーボ製の内窓ならネジをつかわず両面テープでの固定でいいため、窓枠を傷つけることなく設置できます。
メーカー製内窓は、窓枠の奥行きが70mmなければ設置できません。
しかしツインカーボ製の内窓は、プラスチックレールの幅30mmあれば設置できます。
窓枠の幅が少なくても、ふかし枠などを使わず設置ができるところもメリットです。

ツインカーボ製内窓は奥行き30mmで設置可能

インプラスは70mmの奥行きが必要
デメリット
ツインカーボは時間が経つとしなりや反りが出て、内窓に隙間が出てしまいます。
隙間ができてしまうと内窓として効果は薄くなります。
窓の面積が大きいとツインカーボも重くなるため、歪みや反りが出やすくなります。
一般的なプラスチック製のレールとツインカーボだけでは、補修をしないと長持ちはしないようです。
ツインカーボの縁にフレームとしてはめられるアルミ部材等があればそれを支えにして反りをある程度回避できるようですが、やはりガラス製の内窓とは違い、何十年も同じものを使い続けることはできません。
また、面材に反りが出ると障子の開け閉めにも支障が出ます。
引違い型に作成している場合は開け閉めすることが前提になるので、やはり反りが出ると交換しなければいけません。
作り直すとしても、ツインカーボはハサミやカッターで切断しにくい素材のため自分でやるとなかなか大変です。
小さい窓に対してはめ殺し(FIX)タイプとして窓枠に押し込むだけであれば反りは出にくいかもしれません。
ただ、その場合窓は閉めっぱなしになってしまいます。
見た目については、やはり手作り感が出ます。
プラスチックレールなども、薄くて軽いのでチャチな感じになってしまいます。
メーカー製内窓のようにカラーを選べるというようなインテリア性は望めません。
ツインカーボは概ね910×1820mmくらいのサイズが一般的で、これを縦に2枚使って引違いにしますが、このサイズを超える大きい窓への設置は面材同士の接着をしなければならず、気密が落ちる恐れがあります。
またその大きさからあまり作りやすいとは言えません。
ツインカーボはプラダンに比べれば透明性はありますが、中空構造のため、リブの縦線が入りますのでガラスのような透明度はありません。
窓からの景観はある程度損なわれます。
ツインカーボとプラダンの見た目比較
![]() ツインカーボ |
![]() プラダン |
プラダンの透明性はほぼありません。
視線カットのために使用するのであればプラダンは有効です。
まとめ
・メーカー製の内窓がつけられないような木枠のない場所や、窓枠幅の狭い窓にも設置が可能です。原状復帰しなければならない賃貸物件にも断熱のための選択肢として有効です。
・気密性(=断熱性能)はある程度確保できますが、ツインカーボ自体のメンテナンス、または補強が必要で、反りやへたり等により長く効果を持続させることは難しく、また交換等するたびに数千円のコストがかかります。
・初期費用ではメーカー製内窓より安いですが、作り直したり面材を交換したりを何度も繰り返し、長期間使用することを考えれば、結果的にはメーカー製内窓の方がコストとして優秀です。
・断熱性能は、メーカー製内窓の透明ペアガラスの熱貫流率に劣ります。メーカー製内窓はそれよりも高い断熱性能を持つ「高断熱ペアガラス」「アルゴンガス入り高断熱ペアガラス」等も設置できます。
このように書いてきましたが、やはりコスト(初期費用)は大きなネックになります。
ツインカーボ製内窓もそれなりに効果的ではありますが、メーカー製内窓はそれ以上の大きな断熱効果が期待できます。
ただ、設置したい窓の状態によっては設置できなかったり、賃貸にお住まいでどうしてもメーカー製内窓はつけられないという場合もありますので、向き不向きを考えて選択していただければと思います。
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